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霧立山地の標高700m以上に自生する草本類です。植物名欄は【和名/撮影地の通称/撮影年月日】の順です。 その枠から拡大画像にリンクしています。拡大画像から戻るにはブラウザの戻るボタンから戻ってください。 ※写真使用及びお問い合わせは【こちら】からご連絡ください。

カノツメソウ / 涸谷 / 06.08.02

カノツメソウ  セリ科 カノツメソウ属。(少) 漢=鹿の爪草。葉は3出複葉。和名の由来は、 根の形が鹿の爪に似ているからという。シラネセンキュウに似るがシラネセンキュウは 開花が10月。ヤマゼリは上部の葉に葉柄がなく鞘となって茎を抱く違いがある。 鹿の食害によって数を減らしている。

カラムシ / 波帰 / 06.08.20 

カラムシ イラクサ科 カラムシ属。(多) 漢=茎(幹)蒸。方言=カッポグサ、又は、カッポンタン。 和名の由来は、幹(から)を蒸して繊維を採ったことによる。繊維は長くて丈夫なため 昔は上質の織物が作られた。方言は、葉を叩くと音がすることから付けられた。 掌の指を丸めてそのなか上に葉を漏斗状にして入れ、片方の手で上から叩くと カポッと大きな音がする。葉は、対生で、太い葉柄があり、縁には鋸歯がある。 茎、葉柄、葉の裏面に毛が密生する。葉の表面では葉脈が凹状になり、 葉を厚くしている。

カンザシギボウシ / ガゴが岩屋 / 04.07.11

カンザシギボウシ ユリ科 ギボウシ属。 (少) 宮崎県:絶滅危惧ⅠA類(CR_r)。漢=簪擬宝珠。 苞が紫に色づき、イワギボウシに似ているが、花が先端に集まって咲くのが特徴。 和名の由来は、ギボウシは蕾が橋の欄干につける擬宝珠に似ているから。カンザシは、 髪にさす「かんざし」をイメージしたものと思われる。ギボウシ属は食用となるが、 鹿も好物のため、鹿の届くところに生えている個体はほとんど食べられて全滅している。 幸いに本種は岩の隙間に生息するため、ガゴが岩屋付近の切りたった崖地では繁殖している。

キツリフネ / 松が平 / 06.08.25

キツリフネ ツリフネソウ科 ツリフネソウ属。(多) 漢=黄吊舟。ハガクレツリフネの近似種。 葉は互生、有柄、縁には粗い鋸歯がある。花は、葉えきから下垂する。弁内側の奥に 赤い斑点がある。沢沿いの湿地帯に多いがハガクレツリフネより標高の低い地域に繁殖する。 花の後方の距の先端は、キツリフネは下がるだけ、ハガクレツリフネは曲がる。

キヌタソウ / 白岩山 / 09.07.11

キヌタソウ アカネ科 ヤエムグラ属。 (少) 漢=砧草。茎は直立して葉が4枚づつ輪生する。 葉身は先が尖り、縁は全縁。花は蕾の時、赤く色づくものもある。近似種のオオキヌタソウ とよく似ているが、本種は葉が小さくて葉柄が無い。オオキヌタソウは葉が 大きくて葉柄が在る。  

キランソウ / 白岩林道 / 06.04.23

キランソウ キランソウ シソ科 キランソウ属。 (多) 漢=金瘡小草。根生葉が地面に張り付くように広がっていることから、ジゴクノカマノフタともいうそうである。荒地のどこにでも見られる草ではあるが、深山の白岩林道の廃道に生えているのを見ると新鮮である。

キリンソウ / 白岩山 / 04.06.27

キリンソウ ベンケイソウ科 キリンソウ属。 (多) 漢=黄輪草。乾燥する岩場で育つため葉の肉質が厚い。 葉は互生し鋸歯がある。縁に茶色の縁取りをもつものもある。写真右上の葯が赤いのは開く 直前と思われる。写真右下の中央が赤いのは、雌しべが果実となって膨らむと赤くなるため。 和名は、黄色の花が輪状に咲くことから黄輪。梅雨期の石灰岩を彩る花で、昭和30年代迄は 白岩山の登山道を黄色く染めるほどであった。近年は踏圧などで減少している。

キレンゲショウマ / 涸谷 / 03.07.21

イナカギク ユキノシタ科 キレンゲショウマ属。 (希) 宮崎県:絶滅危惧Ⅱ類(VU_g) 国:絶滅危惧Ⅱ類(VU) 漢=黄蓮華升麻。シオジやサワグルミの林床に生息する。葉は掌状で対生、長い葉柄がある。 日本固有の種で和名と学名が同じ。九州山地、四国山地、紀伊半島の一部だけに産する 襲速紀要素の植物である。昔は盆花としてお墓に手向けるほど群落を造っていたが、 近年鹿の食害で消滅した。鹿防護ネットの中で復活しつつある。

ギンランギ  / 白岩山 / 05.09.15

ギンラン ラン科 キンラン属。 (少) 宮崎県:絶滅危惧Ⅱ類(VU_g) 漢=銀蘭。 茎の高さは15cm前後で小さい。葉は、互生し基部は茎を抱く。水はけのよい 石灰岩の尾根に生える多年草。花が黄色のものをキンラン、白いものを ギンランとよぶ。

ギンリョウソウ / 白岩山 / 05.09.19

ギンリョウソウ イチヤクソウ科 ギンリョウソウ属。 (多) 漢=銀竜草。葉緑素を持たない腐生植物。 梅雨の頃、薄暗い林床に育つ。うろこ状の鱗片葉に包まれた佇まいは、まさに 竜が頭を垂れているようなイメージがある。動植物の死骸等を養分として育つという。 なんだか薄気味悪い花ではある。花正面の周りの黄色部分は雄しべ、真ん中の紫色は 雌しべの柱頭でキノコ状をしている。花が終わると球形の液果を結ぶ。

クサアジサイ / 椎葉峰峠 / 06.09.10

クサアジサイ ユキノシタ科 クサアジサイ属。 (少) 漢=草紫陽花。葉は互生し、有柄、 縁には鋸歯があり、先は尖る。茎や葉の両面に薄い毛がある。花は三枚のガク片を 持つ装飾花を伴っている。やや湿った林床に生えるが鹿の食害により、しだいに 数を減らしている。

クサイチゴ / 木浦 / 07.04.15

クサイチゴ バラ科 キイチゴ属。(多) 漢=草苺。方言=ツチイチゴ。土手などの荒地に生える。 地下茎を伸ばして群生する。葉は互生し有柄、奇数羽状複葉で小葉の縁には鋸歯がある。 茎や葉の裏面脈上に小さな棘がある。花は白色の5弁花。果実はよい香りがして食用となる 。分類は木本類になるようだがクサがつくため草本類に入れた。

クサコアカソ / 涸谷 / 05.09.02

クサコアカソ イラクサ科 カラムシ属。漢=草小赤麻。(多)  多年草。葉は対生し、有柄、 縁には粗い鋸歯がある。上部の茎や葉柄は赤い。近似種のアカソは、葉が対生し 葉の先が3裂する。コアカソは、茎の下部が木質化する。

クサヤツデ / ガゴが岩屋 / 05.09.17

クサヤツデ キク科 クサヤツデ属。 (希) 漢=草八手。葉は掌状で広く、長い葉柄がある。 茎は直立し1m以上にもなる。花は下向きにつき、花弁が後ろにめくれ上がる。 突き出た雌しべはうすい紫色しており、その周囲を取り巻いている濃い紫色の部分が雄しべ。 ガゴが岩屋で始めて出合った珍しい植物のひとつで、ソハヤキ要素をもつ。

クリンユキフデ / 日肥峠 / 05.05.07

クリンユキフデ タデ科 タデ属。 (希) 宮崎県絶滅危惧ⅠA類(CR_r)  漢=九輪雪筆。  白い花を雪に、花穂を筆に見立てて、花穂が九輪塔のようにいく段にも付くことから 九輪雪筆と命名されたという。かつては霧立越の歩道に群落をつくっていたが、 鹿の食害により近年は殆ど姿を消してしまった。写真の株も鹿に食べられている ため勢いがない。

クロクモソウ / 涸谷 / 05.09.02

クロクモソウ ユキノシタ科 ユキノシタ属。 (少) 漢=黒雲草。沢沿いの湿った岩の上などに生える。 葉は丸くて長い柄があり、縁は粗い鋸歯がきれいに並んでいる。花茎の高さは30cm前後 で赤褐色の花をつける。全体に薄い毛がある。開花するとガクは反り返る。和名の由来は 不詳。花の色から「黒い雲」という説もあるようだが、「黒い蜘蛛」のイメージがある。

クロフネサイシン-2  ガゴが岩屋 06.05.07

クロフネサイシン ウマノスズクサ科 カンアオイ属。 (希)  宮崎県:準絶滅危惧(NT_r)  国:絶滅危惧Ⅱ類(VU) 漢=黒船細辛。ガゴが岩屋で、はじめてこの花を 見た時は大変驚いた。沢沿いの石灰岩の苔の上で茎の根元近くから長い 花柄を突き出して鉄のような異様な花を開いているのだ。クロフネの イメージがなんとなく分るような気がする。

コウスユキソウ / 白岩山 / 04.07.07

コウスユキソウ キク科 ウスユキソウ属。 (希) 宮崎県絶滅危惧ⅠA類(CR_r) 漢=小薄雪草。 白岩山を代表する希少植物。白い葉と苞が薄く雪をかぶったように見えることから 薄雪草。エーデルワイスとしても知られ、Edel(高貴な)、Weiss(白)で、 花言葉は“純潔と不死”。白岩山岩峰植物群落地として天然記念物に指定された 昭和17年当時からの資料ではウスユキソウになっているが、近年、ウスユキソウ そのものではないことが判明した。宮崎植物研究会の南谷忠志氏によると 「葉が小型でヤマウスユキソウに近いがヤマウスユキソウのタイプとも異なる。 ウスユキソウの仲間は分類に問題が多く、現段階ではコウスユキソウが最も妥当とのこと。

コオニユリ / 白岩山 / 04.07.20

コオニユリ ユリ科 ユリ属。 (少) 漢=小鬼百合。図鑑等には「オニユリの小型化したもので、 オニユリは葉腋に珠芽(ムカゴ)がつき、本種には付かない。」となっているが見分け はなかなか難しい。ただ、本種は岩場の小さな隙間に根を張って生息し小型である ことが見分けのポイント。鹿の食害を受けて白岩山の岩峰では激減したが、 鹿の入らないガゴが岩屋の切り立った石灰岩のがけ地では多数繁殖している。

コケイラン / ホーの木谷 / 06.05.14

コケイラン ラン科 コケイラン属。 (希) 漢=小蕙蘭。別名ササエビネ。沢沿いの日陰に育つ多年草。 葉は1~2枚で細長く、花の頃は地面にはうように倒れていて目立たない。 花茎は、高さ30~40cmで多数の花をつける。ガクは黄色、唇弁には赤紫の斑点がある。

コタチツボスミレ / 化石の森 / 05.04.21

コタチツボスミレ スミレ科 スミレ属。 (多) 漢=小立坪菫。方言=コマカテバナ(駒かて花)。 山里のどこにでもあるスミレ。花を茎から摘み取り、花の後ろにそり返った距を お互いの茎に絡ませて引っ張り合い、ちぎれた方が負けとして遊んだものである。 どこにでもあるスミレでも化石の森で見かけると何となく神秘的に見えるのである。

コフウロ / 白岩山 / 06.09.04

コフウロ フウロソウ科 フウロソウ属。 (希) 漢=小風露。葉は3全裂し、互生で有柄、 更に片側は2裂する。花は、5弁花で3~5本の薄紫の筋がある。ガクには長い毛がある。 鹿が好んで食べるのでしだいに姿を見せなくなった。

コンロンソウ / 波帰 / 06.04.18

コンロンソウ アブラナ科 タネツケバナ属。 (多)  漢=崑崙草。葉は、葉柄が長く、 奇数羽状複葉で先が尖り、鋸歯がある。和名の由来は、中国の崑崙山に積もる 雪をイメ-ジしたものという。春、青葉の少ない時期に、軟らかそうな芽を出し、 見る見るうちに成長して白い花を付けるその生命力と、群生している白い花が 広がる様子を雪にイメージしたのであろうか。または分布が中国の崑崙山脈に もあるとして付いた名前かも知れない。最盛期に林床一面に咲く白い花は圧巻 である。

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2009.03.10~