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霧立山地の標高700m以上に自生する草本類です。植物名欄は【和名/撮影地の通称/撮影年月日】の順です。 その枠から拡大画像にリンクしています。拡大画像から戻るにはブラウザの戻るボタンから戻ってください。 ※写真使用及びお問い合わせは【こちら】からご連絡ください。

ヤハズハハコ  / 白岩山 / 05.07.26

ヤハズハハコ  キク科 ヤマハハコ属。 (少) 宮崎県:絶滅危惧ⅠA類(CR_r) 漢=矢筈母子。 葉は互生し、白い綿毛に覆われて白く見える。茎は分枝せず直立する。 一見コウスユキソウと間違えやすいが、本種はコウスユキソウより茎が太い、 葉が厚い、花が大きくて多いなどで簡単に見分けられる。

ヤブレガサ / 化石の森 / 06.07.01

ヤブレガサ キク科 ヤブレガサ属。 (多) 漢=破れ傘。根上葉は一枚だけで、長い葉柄があり楯形。 春、葉身がまるで破れ番傘を広げるようにしてのびてくる。 このさまを見ると名前の由来に納得するのである。花は、相当の年数を経過して 株が充実しなければ花茎を立てないので本種の花を見る機会は少ない。 山菜のモミジガサに似ているがヤブレガサの葉は円形、モミジガサは半円形に 広がっている。

ヤマアイ / 涸谷 / 06.04.28

ヤマアイ トウダイグサ科 ヤマアイ属。 (多) 漢=山藍。沢沿いの湿地帯に自生している。 文献によると昔は染料として利用したとあるが、当地ではそのような記録はない。 葉は見るからに藍を含んでいるように見えるが、青藍は含まず葉緑素の緑色に 染まるという。

ヤマエンゴサク / ガゴが岩屋 / 04.04.18

ヤマエンゴサク ケシ科 キケマン属。 (多)  漢=山延胡索。 崩壊した山地のやや湿ったところに咲く花。 絶えず崩落を繰り返すような荒地に生息する。根が長く、 ゼンマイのようにぐるぐる巻いた塊をもっており、斜面がずれると根が伸び 一緒に移動する仕掛けを持つ。強い臭いを持つ。臭いは動物に食べられないため の工夫だろうか。

ヤマシャクヤク / 白岩山 / 08.05.13

ヤマシャクヤク ボタン科 ボタン属。 (多) 宮崎県:絶滅危惧Ⅱ類(VU_g)   国:絶滅危惧Ⅱ類(VU) 漢=山芍薬。葉は互生し、2回3出複葉。 花は茎の先に上向きに半開する。純白で楚々とした美しさがあり登山者の人気も高い。 かつては、盗採、盗掘により、絶滅の危機に瀕していたが、近年は自然に対する 保護意識の高まりから、盗採、盗掘が減少し、鹿の食害にも遭わないことから 繁殖を続けて大きな群落を形成しつつある。もはや絶滅危惧種ではなくなった ように思える。

ヤマブキショウマ / 白岩山 / 05.06.25

ヤマブキショウマ バラ科 ヤマブキショウマ属。(少) 漢=山吹升麻。雌雄異株。 葉は2回3出羽状複葉で鋸歯がある。平行脈がヤマブキに似ているからヤマブキが付く。 雄株の花は賑やか、雌株の花はひっそりしている。花の少ない時期に、長い茎を 伸ばして白色の小花を多数つけたヤマブキショウマに出会うと「やあ、皆さん ここにいましたか、はじめまして」。と、そんな花との出会いの一瞬は、 登山の疲れを忘れさせてくれる。

ヤマホトトギス / 白岩山 / 06.07.26

ヤマホトトギス ユリ科 ホトトギス属。(少) 漢=山杜鵑草。葉は互生して茎を抱く。 茎は葉の部分から急に曲がる。花の下部、ガク片のような花被片は赤紫の 斑点が多くて反り返る。反り返らないのはヤマジノホトトギスでヤマホトトギスより 標高の低い部分に多い。和名の由来は「赤紫の斑点が鳥のホトトギスの斑点に似る」 と図鑑等にあるが、赤色型のホトトギスだろうか。あまり似ていないように思うが イメージとしてのインパクトは強い。かつては霧立越歩道沿いのどこにでも見られたが、 近年鹿の食害により姿を消しつつある。鹿防護ネットの中で繁殖している。

ユキザサ / 白岩山 / 05.05.26

ユキザサ ユリ科 ユキザザ属。 (希) 漢=雪笹。 茎の頂に小さな白色花を多数つける。 よく見ると六枚の花弁が広がって雪の結晶のような六角形をしている。 和名は、白い小花を雪に、葉を笹にイメージしたものであろう。秋には、 真っ赤に熟れた果実をよく見かけたものだが、近年は鹿の食害が著しく、 ほとんど見ることができなくなった。写真は、鹿の届かない地上2mほどの 木の股の上に育っているものを撮影した。地面上でこのような大きな株は見られない。 鹿防護ネット内で再生しており、写真右ののような果実もつけるようになった。

ユリワサビ / ガゴが岩屋 / 06.04.17

ユリワサビ アブラナ科 ワサビ属。(少) 漢=百合山葵。サワグルミの根元に小さな白い花が 落ち葉の中で咲いているのが目にとまった。スミレかハタザオの類ではないかと思ったが、 調べてみるとユリワサビであった。葉は互生し、根生葉は葉柄が長く、 縁には波状鋸歯がある。基部は心形。茎の先に白色の4弁花をつける。

ルイヨウボタン / 白岩山 / 03.05.08

ルイヨウボタン メギ科 ルイヨウボタン属。 (多) 宮崎県:絶滅危惧Ⅱ類(VU_g)  漢=類葉牡丹。葉が牡丹に似ているからボタンがつく。花は牡丹のようなあでやかさはなくて、 薄黄緑色で小さくひっそりと咲く。果実は塾すると紫色になる。ヤマシャクヤク と並んで鹿が食べないので近年繁殖を続けている。

レイジンソウ / 白岩山 / 06.09.04

レイジンソウ キンポウゲ科 トリカブト属。 (希) 宮崎県:準絶滅危惧(NT_r)。 漢=伶人草。 茎は直立して葉は切れ込みがあり、有柄。図鑑によると、和名の由来は花が 舞楽の伶人が冠る帽子に似ているからというある。本種は有毒植物のはずだが、 近年鹿が食べるようになり絶滅に瀕している。肥沃な林床を好むため、乾燥した 岩場の上では繁殖できず鹿の食害からのがれることができない。鹿防護ネットの中で 繁殖している。

ワサビ / 本屋敷 / 06.04.17

ワサビ アブラナ科 ワサビ属。 (少) 漢=山葵。山菜の王者で、かつては 谷川の沢に行けばどこにでもあったが、近年は、鹿に食べられて絶滅した。 写真右は、鹿防護ネット内で復活しているワサビ。春、若葉の茎を摘み取り、 まな板の上で熱湯をさっとかけ、コリコリと揉んで醤油をふりかけ、密閉容器に入れ 、翌日取り出して食べるとワサビの香りと、鼻にツーんとくる辛味が実に美味。 栽培ものは、できたては苦みがあり、只辛いだけで天然ワサビのような旨味がない。 ワサビは、森の恵みの貴重な山菜である。鹿の食害から復活して欲しいと願っている。

ワタナベソウ / 涸谷 / 05.08.12

ワタナベソウ ユキノシタ科 ヤワタソウ属。 (希) 宮崎県:絶滅危惧ⅠB類(EN_r)  国:絶滅危惧Ⅰ類(VU) 漢=渡辺草。沢沿いの湿地帯に生息する。 葉は大きくて盾形、互生し、根生葉は概ね8~9裂する。花は、長い茎をたてて 数個白い花を開く。和名の由来は発見者の名前をとった。四国と九州に分布。 鹿の食害によって姿を消している。鹿防護ネットの中でしだいに復活しつつある。

ワチガイソウ / 白岩山 / 06.05.04

ワチガイソウ ナデシコ科 ワチガイソウ属。(少) 漢=輪違草。草丈10cm前後の小さい花のため、 気付かないで登山する人もある。よく観察すると茎の一方側に一列の毛が生えて いるのが見える。葯は紫色。和名の語源を形状に求めて探してみるが、輪違いと 言える部分はないので文献を調べた。すると、命名者は、この花のデータに 二重の○をつけていたところ、その丸が重なっているさまが家紋の「輪違いの紋」 に見えたことから、ワチガイソウと命名したという。「いい加減」というか 「適当に」というか、植物の命名にはいろんなドラマが潜んでいるものである。

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2009.03.10~