霧立山地の標高700m以上に自生する草本類です。植物名欄は【和名/撮影地の通称/撮影年月日】の順です。 その枠から拡大画像にリンクしています。拡大画像から戻るにはブラウザの戻るボタンから戻ってください。 ※写真使用及びお問い合わせは【こちら】からご連絡ください。
マルバノイチヤクソウ / 白岩山 / 08.07.18
イチヤクソウ科 イチヤクソウ属。 (希) 宮崎県絶滅危惧ⅠA類(CR_r)
漢=丸葉の一薬草。葉は丸く根元に集まり有柄、縁には小さな鋸歯がある。
花は茎の先に5~10個つける。薬用とすることから一薬草。急速に姿を消していく
植物の一つで、鹿の食害と盗採の二重苦である。05年4月に鹿防護ネットを張ったところ
ようやく08年に写真のように花をつけてくれた。少しづつ復活しつつあるので大切に守ってほしい。
ミヤマタニソバ / 涸谷 / 05.07.25
タデ科 タデ属。漢=深山谷蕎麦。葉は互生、全縁、有柄で三角形をしている。成葉には、
写真右のように漢数字の八という字が浮き出てくる。花は葉えきから長い柄を出して
小さな白色の花を数個つける。和名の由来は、深山の谷沿いに生育し、蕎麦の葉に
似ていることから付けられたものと思う。時として大群落をつくる。
ミヤマツチトリモチ / ゴボウ畠 / 05.08.09
ツチトリモチ科 ツチトリモチ属。 (希) 宮崎県:絶滅危惧ⅠA類(CR_r)
国:絶滅危惧Ⅱ類(VU) 漢=深山土鳥黐。
樹木の根に寄生する多年草。表面のつぶつぶが花穂で色の変化が多い。
雌雄異株。雌株が単為生殖するという。同じ場所に毎年は育たないし、
寄生する木の下を探してもなかなか見つかるものではない。その季節に
偶然に出会ったというほど稀に見るもの。九州のものはキュウシュウツチトリモチ
として分ける説もある。この仲間は、種によって寄生する樹木が異なるそうだ。
本種は、カエデやシデの根に寄生し、ツチトリモチはハイノキ属に、
キイレツチトリモチはネズミモチ、シャリンバイ属にそれぞれ寄生するという。
ムカゴイラクサ / 涸谷 / 05.08.12
ラクサ科 ムカゴイラクサ属。(少) 漢=珠芽刺草。葉柄が長く縁には鋸歯がある。
茎、葉柄、葉に棘があり刺されると痛い。葉の下に咲くのが雄花。花穂の上に刺の
ようにして咲くのが雌花。湿地帯に生える多年草で葉えきに珠芽(ムカゴ)をもつの
が特徴。イラクサは葉が対生し、本種は互生する。
メタカラコウ / 白岩山 / 06.08.26
キク科 メタカラコウ属。 (少) 漢=雌宝香。オタカラコウと同様に独特の香気を放つ。
本種は、オタカラコウに対して葉も小さく華奢な感じ。葉の先が尖っていることや
花弁がオタカラコウは8~9枚に対して本種は2~3枚しかないことが特徴。雄に対して
雌は小さくて優しさをあらわしたものという。
モミジガサ / 涸谷 / 03.08.06
キク科 コウモリソウ属。(少) 漢=紅葉傘。別名=シドケ。葉は掌状に深裂する。
近似種のテバコモミジガサは、葉の裏面に葉脈が網目状に出
、表面は厚い毛で覆われている。頭花は筒状。新芽は山菜として食用になる。
本種も鹿の食害が進んでいる。鹿防護ネットの中で繁殖している。
モミジハグマ / 灰木の頭 / 00.08.20
キク科 モミジハグマ属。 (希) 漢=紅葉白熊。赤みを帯びた茎が地上から少し上がった
ところに長い葉柄をのばして広い葉が数個輪生する。葉はやや円心形、掌状に浅裂する。
花は直立して長く伸びた花茎に横向きにつく。頭花は3個の小花からなる。花冠は細裂し、
よじれて後ろに曲がる。 1995年、霧立越トレッキングを始めて以来2000年頃までは
霧立越の歩道沿いに多くの植物たちが多様な群落をつくっていた。それが近年鹿の
食害で次々と姿を消していった。モミジハグマもその内の一つである。